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船のエンジンの異常検知

導入背景・課題

船舶の運航において、エンジントラブルによる船の航行停止は、経済的インパクトが大きい。ある船舶運航会社では、船のエンジンに大量に温度・圧力などを計測するセンサーを設置し、センサーの値を陸上にある監視センターに送り、エンジンの状態を常時モニタリングしていた。「センサーの値が一定の値(閾値)を超えるとアラートを出す」などのルールを設けてアラートを出しており、アラートを受けると監視センターの担当者が内容を確認し、必要であれば船の上にいるエンジニアに連絡し、船のエンジンそのものを確認するというプロセスとなっていた。
このプロセスの中で2つの課題があった。1つはルールベースのアラート発出では、すべてのトラブルを事前に検知できない場合があったこと。もう1つは、アラートは複合的な条件が加味されて発出されるものではなかったため、誤報が発生していたことである。

解決策

エンジンのセンサーデータから、機械学習によって異常を検知する仕組みを開発した。過去のエンジンのセンサーデータから、各船が平常時にはどのような挙動を示すのか、センサー同士の関係性をマッピングし、そこから一定程度逸脱するような動きをするセンサーがあれば、アラートを出す仕組みとした。
閾値を設定しなくとも、異常を検知できる仕組みであること、船ごとに変わる閾値を手動設定しなくていいことなどが、従来のルールで異常を捉える仕組みとの違いとなる。
また、「本来センサーA,センサーBの値がこのくらいの時はセンサーCの値はこのくらいなのに、なぜかセンサーCはこのくらい高い値を取っている」といった形で、どういう方向での異常なのかを明示できる仕組みという利点もある。

効果

ルールベースでアラートを出す仕組みよりも誤報率が減少し、アラートを検知する精度も高い仕組みを作ることが出来た。
誤報率が減ることで、陸上の監視センターの業務負荷の軽減につながる。
検知精度の向上により、これまで見落としていた故障を早く検知することが出来るようになる。洋上で故障の可能性を早めに検知できれば、港に着く前に代替の船の手配を開始するなどして、遅延や経済的損失を最小限に抑えることにつながる。
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