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Cross Talk session2 最初からエンジニアが直接対話し、課題を共有することで使う人に寄り添ったきちんと使えるシステムを実現

シニア層の登録スタッフを多数抱えるキャリア社。その特性上、あらゆる情報が紙ベースでやりとりされ、データが蓄積されず業務も煩雑化しているのが課題でした。プラスゼロでは、紙ベースの情報を読み取るOCRに加え、デジタルに抵抗のある方でも「使いたくなる」新システムをご提案し、バックオフィスの業務効率化も実現しました。

紙情報をデータ化するだけのOCRではダメ。業務効率化のために、OCRを最適化

株式会社キャリア代表取締役会長 兼 社長・川嶋 様(以下、キャリア・川嶋)

弊社は高齢社会型人材ビジネス、つまりシニアの人材を派遣・紹介を行ったり、介護施設や高齢者が利用される施設に人を充てるというサービスをメインに提供しています。比較的古い業態だったこともあり、社員にエンジニアはおらず、言い方は悪いですがITリテラシーの高くないメンバーばかりでした。そんな状況の中、「要件定義や設計をすごく寄り添ってやっていただける」とプラスゼロさんをご紹介いただきました。ITシステムについてわからない人間ばかりでもしっかり寄り添っていただけそうだと考え依頼をさせていただいたわけですが、実際にその通りだったので依頼してよかったと思っています。

当社が抱えていた問題は、シニアの人材派遣という業態上どうしてもまだ紙の書類のやりとりがメインで、給料の振込みも電話や紙ベースのやりとりが多く残されていた点にありました。そこで、シニアの方でも使いやすいシステムを開発したいという思いで今回の依頼に至ったわけです。
株式会社pluszero 取締役副社長・永田(以下、pluszero・永田)

私どもはAIであれITであれ、それはあくまで手段だと思っております。お客様のビジネスをいかに成功させるかということに注力したいと考え、ただ言われたものを作るだけでなく業務設計、要件定義、そして開発・運用・保守まで含めてワンストップでやらせていただくというのを大事にしています。

キャリア様のお話をうかがった時、ワンストップでできるというところがわれわれの方針と非常にフィットするのではと思えました。実際に取り組ませていただたいところ、業務設計から議論しつつ一緒に作っていくなど、非常にやり甲斐がありましたね。
キャリア・川嶋

弊社からはOCRシステムと、前払いシステム、そして業務支援システムを依頼させていただきましたよね?
pluszero・永田

そうですね。御社の場合、対象者が高齢者ということもあり、なかなか手書きの運用からデジタルに移行できないと伺っておりました。そんな状況の中、もっとも業務効率を高めるための手段としてOCRの導入を決められました。

また、ただOCR化するだけでなく、読み取った内容をどのようにやりとりすると一番効率良く、最適化されるかという点を考慮し設計させていただいたのがポイントでした。
キャリア・川嶋

一般的な人材派遣会社であればデータで勤怠時間などを送ってもらうはずですが、弊社の場合はどうしても手書きで送ってこられる方が多い。その中での最適解ということでOCRを依頼した経緯がありますね。

付加価値のあるサービスによってシニア層の利用ハードルを下げる

株式会社plus zero AI・ITソリューション事業部・須濱(以下、pluszero・須濱)

もうひとつ導入いただいたシステムの中に「前払いシステム」というものがあります。これは、キャリアさまで働いていらっしゃるスタッフの方がタイムシートを送ると、その勤怠実績に応じた給料の一部を、働く毎に先に引き出せるという仕組みです。働いた翌日に給料が引き出せるということで、スタッフの方々の利便性を向上できるシステムになっているのではないかと思います。

御社との取り組みの中で工夫したところは、なるべく少ない手順で支払いできるように、最小のクリック回数で申請ができるようにしたことです。担当の方が毎日お使いになるものですから、少しでも手間をなくすことで業務効率化にもつながると考えました。また、登録スタッフが約10万人いらっしゃるということで、タイムシートには大量のデータが溜まっていました。そこで「あなたはこのくらいの金額を使えますよ」という、給与に関するデータに関して、膨大な量を処理する必要があったのですが、ロジックを工夫することで、タイムシートが入力されてから1分ほどで給与金額が更新されるような仕組みを実装しました。
キャリア・川嶋

これまではファックスによるやりとりも多かったのですが、最近になり少しずつスマートフォンを使い始める人も増えてきました。スマホでタイムシートの画像を送ったらすぐに給与が振り込まれ、非常に喜ばれているようです。
pluszero・須濱

業務支援システムについては、いままで使っていたシステムのリプレイスをさせていただきました。旧システムの良いところはそのまま踏襲しつつ、読み込み速度が遅いといったマイナス点は設計部分から抜本的に改善しました。

営業支援システムは営業担当の方が1回あたりにかかる時間が業務実績としてそのまま反映されてしまうため、なるべく高速処理するよう設計しました。また、御社は今後データ集積に力を入れていきたいとのことでしたので、営業実績や営業成績、広告のデータなども蓄積していけるように設計させていただきました。

的を絞った機能で、業務効率化が実現。一人ひとりのタスク管理も

キャリア・川嶋

システムを導入してから、検索からスタッフのマッチングまでの物理的なスピードが非常にスピーディになりました。設計段階から一緒にやっていただいていたので、手数がだいぶ減ったのが大きいでしょうね。社員がPCを開くと、「いまやるべきこと」「やり忘れていること」「どの順番でやったらいいか」などのタスク管理が表示されるようになっていて、それがとても好評だと聞いています。

これまでの私たちは、既存のシステムに自分たちのやり方を合わせていたんですね。初めて自分たちで一からシステムを作ったため、つい「あれも入れてほしい」「これもやってみたい」と理想はいくらでも広がってしまうんです。僕自身、昔システム開発に携わっていたことがありますが、実際に作ってみたらその機能を全然使わないとか、思ったのと違うなどと活用されないまま終わる事例も見てきました。

プラスゼロさんは、最初に打ち合わせにいらしたのが営業の方ではなく、エンジニアでPMの方だったんです。だからその場でできる・できないを伝えてもらえたのは助かりましたね。社員が「こんなことやりたい」と言っても「それは工数がかかるのですごく開発費がかさむし、その割にあまり使わない機能になると思います」など、きちんと言ってくれるんです。そのおかげで、弊社の目的に沿った無駄のないシステムが出来上がったと思っています。
pluszero・永田

プラスゼロでは、お客様とエンジニアが直接お話させていただくことを大事にしています。プロジェクトを進めていく上で、お客様の課題を聞いて検討するメンバーと実際に作るメンバーが分かれてしまうと、なかなかスムースに進まない。そうなると期待はずれのシステムが納品されたということが起こりがちなのではないでしょうか。御社との取り組みでも、そういった点が非常にマッチしたのではないかと思います。
キャリア・川嶋

弊社の場合、オペレーションによって中身を変えていったり、多数いらっしゃるスタッフ様のデータを上手く活用していくためにバージョンアップを重ねていく必要がありました。作り終わったこれからも、現場の使いやすさに合わせてどんどん変えていくのがやりやすそうだなと感じています。

今回お願いしたシステムでは、スタッフ様の行動や、社員一人ひとりがどう動き何をしなければならないかを把握できるような仕様にしてもらったのですが、もしこれがパッケージソフトだったらそのデータを引っこ抜いてどうするかを改めて考えなければならない。でも御社にお願いしたことで、初めから自分たちがそのデータを分析・活用しやすい形にリプランニングし、最適解を導き出す提案をどんどんしてもらえるのでは、という期待もあります。

また、OCRの使い勝手という点では1枚のタイムシートをいかに素早く取り込み、給与データとして使えるようにするか、すなわちKPIをどれだけ短縮できるかが大切でした。そのためには非常に細かくチューニングする必要があると思いますが、どのように工夫されましたか?
pluszero・永田

生きていないデータが溜まっているお客様が非常に多いということは、常々感じています。私どもは将来的にデータ活用することを見越したデータベース設計を心がけておりますので、今回データベース設計からやらせていただいたことが将来的なデータ活用の可能性に対してプラスに働いたと考えています。

人材派遣という御社の業務では、人と人とをいかに効率よくマッチングするか、いわば相性というのがとても大事です。システムを運用しながらデータを貯め、フィードバックを返し、どんどん賢くしていくというループが一度回り始めると、他社はなかなか真似できないシステム・データに育っていきます。とりわけ人材の中でもシニアにセグメントを絞ってらっしゃるということで、さらに御社ならではのAI活用法、独自性が実現するのではないでしょうか。
キャリア・川嶋

今後は、社員の頑張りがさらに可視化するようなシステムへと応用させることも、一緒に取り組んでいきたいですね。
pluszero・永田

KPIにも様々な要素・目的があります。一つひとつのAIのアルゴリズムを作っていくことも大切ですが、それぞれのKPIとKPIがどのように関連しているのかという“KPIツリー”を整理していくことにも注力しております。
pluszero・須濱

マッチングのアルゴリズムは本当はすごく難しいものなんです。キャリア様の場合、クライアント様とスタッフ様とエージェント様と営業の方、四者それぞれのKPIがあって、より複雑になっています。そんな難しい課題を解決できるのも、弊社の強みのひとつです。

弊社にはアルゴリズムを競う世界大会で金メダルを取ったメンバーも在籍しているので、フィードバックを受けて短期的なKPIをいかに早くアルゴリズムに取り込み、改善していけるかという仕組みも作れます。
キャリア・川嶋

われわれは難しいテーマを投げていたということですね(笑)。
pluszero・永田

そうですね、弊社には難しければ難しいテーマほど喜ぶメンバーもおりますので(笑)。
キャリア・川嶋

スタッフとクライアントをマッチングするだけではなく、今後はスタッフ様の満足度を入れた指標に変えていくようにもしてみたいですね。
pluszero・永田

そのような長期的な目標も、ぜひ一緒に取り組ませていただければと思います。
対談の詳細はこちらからご覧いただけます。